学校に行きたくないと言われた時に子どもと自分をサポートし、子どもの自信や力を奪わずに関わるために必要なことを何回かにわけて書きたいと思います。
今回は脳や神経の仕組みから子どもが「学校に行きたくない」と言った時に親も子どもの話しを冷静に聞きくことが難しいことを説明したいと思います。
三兄弟の不登校の関りで、散々悩んできて、何より大事なことは
不登校の子どもを受け止めることが難しいことを理解し、親が自分を責めないことが子どもを支えるために重要なこと
なぜかと言うと、脳が危険だと感じて即座に反応してしまうから。
子どもが学校に行きたくないと言った時や五月雨登校、不登校が続く時、親は子どもにどう関わると良いのかわかりません。
今や未来のあらゆる危険を考えてしまい、その危険に対処しようとしてしまいます。
そうなると子どもを登校させたいという思いが強くなってしまうのは脳の当然の反応だと思います。
ただそれを子どもにぶつけても子どもが登校しないどころか、親にわかってもらえないことで更に傷つき、自己否定になってしまいます。
それが二次障害などになってしまうことも多いです。
子どもも学校で危険を感じ、警戒モードになっているため、とてもネガティブに受け止めやすい時期です。
だからこそ子どもと自分の脳の仕組みからの反応を理解し、子どもも自分も助ける関りがとても大事だと思っています。
私は脳の仕組みを理解していなくて、散々子どもを傷つけてしまって、後悔しています。
脳や神経を落ち着かせることがに力になるので、
まず親が自分を安心させることで、子どものサポートができる。
親が自分がダメなんだ。能力が足りないんだと感じたり、良い関わりをしなければならないと思うほどプレッシャーがかかり、更に危険を感じてしまいます。
脳、トラウマ、レジリエンス、無意識、思考は現実化するなどの本を読む中で理解し、息子たちとの関わりで自分を安心させることを最優先で取り入れてきました。
私の安心は息子たちにも伝わり、親子で安心して内面に触れる話しができるようになりました。
我が家は長男が小2で学校に行きたくないと言ってから、再度大学で動けなくなるまでの約10年このことを知らずに、息子たちに寄り添いたいと思えば思うほど、脳は危険を察知し、間違ってしまわないようにという思いからプレッシャーをかけ、緊張し、それが感情暴発や回避になっていたんだとやっと理解しました。
子どもに寄り添いたい、力になりたいという思いが強いほど、この状態になりやすい。
不登校の保護者の方だけでなく、不登校に関わる大人、支援の方にもこの脳の仕組みを知って欲しいと思います。
また危険を感じて、子どもを過剰に守ることも子どもの自信や力を奪ってしまいます。
そこで警戒モードを解き、子どもたちと対話をし、子どもの力を引き出すこともとても大切だと思っています。
子どもが学校に行きたくないと思うのにはたくさんの体験や気持ち、理由があります。
そこから自分や学校や同級生や先生に対して思い込みができていることも多いです。
学校に行きたくない気持ちや理由を解きほぐし、傷を癒し、自分なりのやり方、そのままの自分でできることを模索し、ありのままの自分で大丈夫なんだと思うことが次の一歩につながっていくと思っています。
そのためにはまず現状や子どものことを理解する必要があります。
そこでは子どもを一人の人間として丁寧に関わり、安心して弱音や本音を話しても大丈夫と感じてもらうことがとても大事になります。
そして何ができるかを不安や怖さから考えるではなく、子どもが創造できるように問いかけ、できる方法を本人が考えるサポートをする。
子どもが自分を理解し、自己受容し、自分のできること、やりたいこと、自分の力に気づき、自信を持って選択していくことがとても大事だと思っています。
それには
これらがとても大事になります。
それは脳が安心を感じるために必要なことでもあります。
今回は不登校の親子が共にサバイバルモード(脳の反応)であることと、サバイバルモードだとお互いに安心して話しをすることが難しいことを書きたいと思います。
また次回以降に不登校の親子が直面している状況を理解し、子どもの力を奪わない関わり方で3つの大切なことを書いていきます。
子どもが学校に行きたくないと言った時の親子の状態
子どもが学校に行きたくないと言った時や登校できない日が続く時、子どもは学校で何か恐怖や不安、傷つきを経験しています。
子どもの恐怖や不安の一例は…
ただ親もとてもショックで、傷つき、不安や恐怖を感じます。
親もたくさんの不安やわからないことを抱えて、脳が警戒モードになり、身体にも力が入って、神経も高ぶってしまいます。
このように親子で警戒モード(サバイバルモード)にあり、この状態では落ち着いて話し合うことがとても難しいです。
でも不登校の子どもの自分を信じる力や能力、エネルギーを奪わない為には子どもと安心して対話することがとても大事です。
ただここで対話を難しくしていることが在ります。
それは
子どもが学校で傷ついたこと。
それによる自己否定。
親はここをしっかり理解し、ケアすることがとても大事だと思っています。
子どもの傷や自己否定が親子で対話することを難しくしている
子どもが学校で感じてきた不安や怖さや傷つきが在る中、親から否定される恐怖や学校に行かないことで起きる不安も感じていて相当警戒は強いです。
そこで落ち着いて話しができる状態ではありません。
隠している自分の弱さや本音も簡単には言えません。
自己否定になっている場合も多く、そこに傷があり、触れられたくないので強がっていることも多いです。
ここで何より大切なことは脳や神経を落ち着けること。
だから
親が子どもだけでなく、自分(親)も受容し、安心して子どもと対話することが大切です。
それが一番子どもをサポートする力になり、安心させるんだと実感しています。
親が自分の安心の大切さを理解し、自分ケアを大切にする
なぜ親の安心が必要かと言うと、上記のように親もたくさんの不安とわからないことを抱え、脳が危険と察知しているからです。
この状態で話すと
親は自分の不安や不快から子どもを変えようとして怒ったり、アドバイスすることが増えてしまやすい。
落ち着いた時に
なんであんな酷いことを言ってしまったんだろう…
と後悔して、自分を責めることが増えてしまいます。
それがまた親にプレッシャーをかけてしまいます。
「次は感情的にならない。子どもに寄り添うんだ。」
という思いが強いほど自分の感情を抑圧して良い関わりをしようとしてしまいます。
感情抑圧は必ずどこかで暴発します。
ストレスが積み重なり、大したことない場で暴発して、また自己嫌悪になってしまう。
私はそんなことを繰り返し、どんどん自信もエネルギーも無くなっていきました。
自分は愛情が足りないんだ。親としての能力が無いんだと感じ、消えたいと思ったこともあります。
そのうち何をやってもダメなんだという学習性無力感に陥っていました。
親が不安なまま関わると子どもは受け入れてもらえないと感じ、自己否定が増えてしまう
一方その関わりをされている子どもは親は自分を受け入れてくれないと感じてしまいます。
また登校できない自分はダメだとか、おかしいとか、弱いなど自分にレッテルを貼り、自分を責めるようになってしまいます。
そんな状態では子どもは親と話すことは危険だと感じて、自分を守るために心を閉ざしてしまうか反撃になりやすい。
親子で現状や子どもの気持ちを理解し、できる事を視野を広げて考えたり、話し合うことが難しくなってしまいます。
それがお互いを信じることや対話することが難しくしてしまい、長期化にむかいやすいと感じています。
それを回避するために
大切なのは安心・理解・創造。
読書や息子たちと安心した対話を続ける中でわかってきたことです。
◆親子で安心を作り出す
◆子どもの話しを受容的に聞き、親子で現状や子どもにことを理解する
◆できる事を共に工夫したり、アイデアを出し合う
「安心、理解、創造」この3つが不登校の中でも子どもの力を奪わず、自分の力で安心や進む道を作ることができると感じてもらうために必要なことだと思っています。
「安心、理解、創造」については次回書きたいと思います。
まず脳の反応を理解していきましょう。
脳は危険察知すると視野が狭まり、良くない行動を制御できなくなる
脳は危険を察知すると警戒モード(サバイバルモード)になり、視野が狭まり、良くない行動の制御も難しくなってしまいます。
青砥瑞人さんの著書『BRAIN DRIVEN (ブレインドリブン) パフォーマンスが高まる脳の状態とは』
脳は危険を感じると「考えている場合じゃない、逃げよ」と命令する。あるいは「戦え」のモードを優先させる。つまり心理的危険状態では、トップダウンの意識的な思考をする機能が失われ、不適切な行動を抑制する機能も失われる。したがって、思い描いた行動とは違った行動をとる確率が非常に高くなる
『BRAIN DRIVEN (ブレインドリブン) パフォーマンスが高まる脳の状態とは』青砥瑞人著
その状態では
この状態では親子で感情をぶつけ合うか話さなくなるか(闘争か逃走)になりやすい。
それでは今の子どもに何が必要かを理解し、できる方法を探すことや作り出すことが難しくなってしまいます。
子どもの脳は未発達のため、自分が悪いと捉えてしまう
また子どもの脳はまだ未熟です。
脳の完成は20歳を過ぎた頃になるとわかっていて、子どもの脳では
そこで起きたことを「全部自分のせい」と感じてしまいやすいそうです。
『こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』より。
この本は私が脳の仕組みやトラウマの本を読んできた中で、一番子どもの理解とサポートの参考になる本です。
子ども時代の脳やそこから子どもがどんな反応になるのか。
子どもの癇癪、反抗やだんまりなどの反応の理由がとてもよくわかります。
またなぜ自分にネガティブな信念(自分はダメなんだ、不充分なんだなど)を持ってしまうか。
そのせいで大人になっても、安心して人とつながることが難しかったり、のびのび自分らしく行動することができなかったり、無理して限界を超えて頑張ってしまったり、周りにいつも警戒してしまうなどの悪影響を与えてしまうことが理解できます。
子どもにネガティブな信念を持たせないために、どんな関わり方やサポートができるのかが考えられるようになりました。
また不登校の子どもは学校に行けないことや学校で起きた体験から自分が悪いとか、ダメだと感じてしまう可能性が高く、そんな子どもにどんな関わりが必要なのかを考えるヒントがたくさんありました。
今までの子育てや子どもに当たり前にされていることがどれだけ大きな影響を与えているのか。
自分のことを振り返り、生きづらさや人間関係の難しさにつながっていると痛感しています。
私が自分の傷理を解し、癒せすこともできていて、私のイチ押しの本です。
不登校や子どもに関わる大人だけでなく、すべての人に読んで欲しいと感じる本です。
こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか
そしてこの本では「つながりがすべてに優先する」と書かれています。
つながりを感じ、安心することで脳や神経は落ち着いていきます。
そうすることで自分のありのままを受け入れ、そこから何がしたいのか、どうやったらできるのかを考えていけると思います。
反対に自己否定している時は子どもと話すことはとても難しいと思います。
親が良かれと感じていることなのに、子どもにとっては
こんな風に感じやすく、拒絶や無視(逃走反応)、暴言や反抗(闘争反応)になってしまいやすいです。
ここを解除しないことには子どもと現状を理解したり、できることを考えるのは難しいと感じています。
だから
子どもが親は自分を否定的に見ているという受け取り方を解除していくことが最優先。
そこで『こどものスモールトラウマのためにできること: 内面で何が起きているのか』に書かれているように安心と敬意を感じられるつながりをつくることがとても大事です。
まとめ:安心と敬意を感じるつながりで、脳の警戒モードを解く
このように脳が危険を感じる状態では子どもも親も安心して話しができる状態ではありません。
だからまず子どもの話しをありのまま受け止めて、親はどんな自分や自分の感情でも受け止めてくれると感じてもらうことがとても大切です。
その時に親にも不安や焦り、恐怖があるので、自分を安心させることを最優先にすることが大事です。
子どもに登校してもらうことでは安心は作り出せません。
それは子どもとの間に戦いをうみ、お互いが傷つくだけです。
親が安心を感じるにはまず受容的に聞いてもらえるところにつながって、苛立ちや不安をしっかり聞いてもらってください。
そうやって心の中に在る辛さを少しでも外に出し、受け取ってもらって親も自分はありのままで在っていいと感じること。
それが子どもの話しを安心して聞けることにつながります。
また自分の感じていることはどんな気持ちも在っていいよと自己受容することもとても効果があります。
私は紙に書き出して、一つ一つ丁寧に共感して、自分に寄り添い、優しい言葉をかけるようにしています。
不安だよね。そんな中よく頑張っているよ。
辛いよね。少し休んだり、自分が癒されることをしていいんだよ。
こんな風に自分に優しくしていくこと。
それがとっても力になります。
いつも自分に厳しくしていることが当たり前だったんだなと気づくこともあります。
自分に思いやりを持って接することは自分を安心させ、自分の願う言動を選択する力になります。
セルフコンパッション=自分への思いやりの本『セルフ・コンパッション[新訳版]がとても力になると思います。
セルフ・コンパッション[新訳版]
次回以降では安心・理解・創造について書いていきます。
noteにも記事を書いています。良かったら読みに来てください。
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